文字起こしは単価が高いから効率的に稼げる!やり方と向いている人

「特に得意ジャンルはないけど、フリーランスとして効率よく稼ぐ方法はないか?」と考える人に、個人的におすすめしたいのが文字起こし。実は文字起こしを取り巻く環境は恐ろしくよくなっています。

そして何より、効率がいい!

時間の制約もないため副業としても人気の文字起こしを仕事にするために、どうしたらよいのかを解説していきます。

文字起こしとは、音声を文字化する仕事

文字起こしは、企業や団体などのセミナー・会議・講演会、インタビューなどの音声や動画を聞いて、文字化する仕事です。

基本的には、(多少のムダな言葉は省くことがあっても)話したままを文字化。情報を集めて構成を考えるライターなどとは根本的な作業内容が変わります。

文字起こしした原稿は、そのまま会議や講義の記録として残したり、ライターなどが原稿を書く際の資料にしたりします。

1分あたり100円。1時間分6000円はめちゃくちゃ生産性が高い!

では、なぜ、「文字起こしは生産性がよい仕事だ」と思っているのか?

それは業界が設定している価格のおかげなんです。

なんと、音声1分あたりの標準価格が100円! 60分の音声であれば、6000円ということになります。

この価格になったのは、以前文字起こしは専門職だと言われていて、早い人でも基本時間の3倍。遅い人では5~6倍の時間がかかると言われていたことにあります。

ところが、最近はアプリの技術開発が著しく、英語ではほぼ正確に文字起こしができるようになったと言われています。日本語については、まだそこまでは行きませんか、それでもアプリをうまく使えば、驚くほど時間は短縮できるのです(やり方は後述)。

たとえば私は、取材音声の文字起こしを息子にアルバイトとして手伝わせています。彼はまるっきりの初心者で、今どきの大学生にありがちな、キーボードのタイピングは得意ではありません。

それでも、アプリを使って、録音データの2倍くらいの時間で完了させています。

つまり時給は3000円!!!

ちなみに、ライターの文字単価は0.5円が最低基準とされています(まったく納得できませんが)。

ライターは1時間で2000文字と書けると、「すごいね」と言われます。これだと時給が1000円ですから、いかに文字起こしが効率的かがお分かりいただけると思います。

文字起こしの受注から納品まで

では、文字起こしの仕事がどんなものかを説明していきましょう。

まずは、文字起こしの受注から納品までの大まかな流れです。

文字起こしを依頼してくるのは、企業や出版社などが中心です。また、文字起こしを受注する専門会社が外注スタッフに仕事をだしているケースもあります。

受注するためには、文字起こし専門会社の外注スタッフになるか、クラウドソーシングなどを活用することになります。

受注できたら、音声(または動画)データをオンラインストレージ経由で受け取るか、チャットやメール経由で受け取るのが一般的です。

音声はICレコダーやスマホで取られることが多く、そのまま送られてきます。形式は以下のものがほとんどです。

音声データのファイル形式
・MP3
・WAV
・WMA
・MP4
・M4A

再生できる環境を整えておきましょう。無料のソフトやアプリでも対応しているものがあります。

ちなみに、以前はテープで録音する人が多く、郵送でちっちゃいカセットテープが送られてくることもありました、笑

受け取ったデータを聞きながら、文字起こしをしていきます。

納品するデータは、Wordかテキストのどちらかです。クライアントの指示を受けてください。

文字起こしに必要な道具

文字起こしに必要な道具はパソコンとヘッドフォン(イヤフォン)です。スピーカーで再生してもよいのですが、音声を正確に聞き取るにはヘッドフォンなどで音声を流す方が数倍よいです。

文字起こしのデータをやり取りするのはインターネット経由であったり、メールやチャットで送られてくることが多くなります。クライアントの保存方法によっては(特に動画の場合)、パソコンの空き容量に余裕がないと厳しいことがあります。これは特に注意です。

他に、文字起こしを多くやる人は、フットペダルなどを使っている人もいます(私もインタビューをやりまくっていたときは使っていました)。価格は数千円程度からあります。結構手軽ですよね。

フットペダルはパソコンにUSBなどで接続し、それぞれのペダルに好きな機能を割り当て、マウス入力の代わりをさせます。これを使うとキーボードから手を放す必要がないので、ストレスがめちゃくちゃ減ります。

ペダルの数は、シングルタイプから結構多いものまでいろいろ。私は3つあるものを使用し、「停止・巻き戻し・再生」に割り当てていました(今は巻き戻しとは言わないのかも・笑)。

後述しますが、音声入力する人は、マイクも必要です。

文字起こしに使うおすすめアプリ

文字起こしに必要なアプリは、「音源を聞くアプリ」と「文字を入力するアプリ」です。

音源を聞くアプリ

音源を聞くアプリについては、パソコンに入っているiTunesなどでもよいのですが、聞けるデータ形式が限られるうえ、再生スピードを調整できません。

自分のやりやすいペース、具体的には入力スピードに合わせてちょっとゆっくり目にしたり、最終確認では早くしたりできるアプリが最適です。無料のアプリがいろいろとありますので、使ってみてください。

それに、ちょっとだけ戻ると言う作業ができることも、ストレスをなくしてくれます。

動画も同じく、アプリがいろいろ出ていますよ。

文字を入力するアプリ

文字を入力するアプリは、キーボードから入力するか音声で入力するかによって違ってきます。

キーボードで入力するなら、納品形式に合わせてWordやにノートを使うといいと思います。

しかし、キーボード入力は疲れます。私は嫌いですし、息子はできません、笑

そんなときは、音声入力にすることをおすすめします。音声入力が一番やりやすいのはGoogleドキュメント。音声を聞きながら、自分で声に出して入力していきます。

なぜGoogleをおすすめしているかと言うと、キーボード入力と並行できるからなんです。改行したり、句読点を入れたり、話者の名前を入れたりしながら進められるので、かなりおすすめです。

もうひとつは、まずは自動で文字起こしをし、後で整えていく方法。私は45分を超える取材で音声の状態がよいものは、この方法で文字起こしをしています。

これは環境にも左右されますし、私はiPadを使っているので、ちょっと特殊なのかもしれませんが、環境に合わせていろいろなものが出ていますので、探してみるとよいかもしれません。

(私のやっている方法もいつか、紹介できればと思っています)

文字起こしの際に注意すること

では、文字起こしのときに注意すべきことを紹介します。

文字起こしのタイプを先に聞く

文字起こしには、「素起こし」「ケバ取り」「整文」の3種類があります。

文字起こしの種類

「素起こし」は一字一句漏らさず、すべてを書き起こすものです。「えーっと」「あのー」などもそのまま起こします。

「ケバ取り」は「えーっと」など、文脈上意味のない言葉をとってしまいます。「フィラー」と言うこともあります。

「整文」とは、話し言葉を書き言葉に修正し、分かりやすく、かつ正しく書き換えるものです。ら抜き言葉を訂正するなども含まれます。

文字起こしの段階で対応できることもあるので、最初にクライアントの指示を聞くようにします。

音源はもらったらとりあえずザっと聞く

音声の長さは仕事によってさまざまです。ですが、30分~2時間程度のものが多いかと思います。

文字起こしのデータを受け取ったら、すぐに音声を聞き、データが破損していないかを確認します。あとで再生できず、クライアントに再送してもらうようでは信頼度が下がります。

私のもとでよくあるケースは、iPhoneやiPadで録音しストレージに移すと、1時間半を過ぎたあたりから音声が途切れる事象があります。冒頭部分を聞くだけでなく、ある程度先まで早送りして2~3分聞くようにすると安心できます。

話者をどこまで明らかにするかを確認する

音声は、一対一のインタビューやセミナーなどでは発言者が少ないですが、会議では多くなり難易度があがります。

文字起こしでは基本的に、誰が何を言ったかを明快にする必要があります。「A・B・C」などと表記したり、男女のインタビューなどでは「男性・女性」と表記したりします(事前に名前を聞いて入れることもあります)。

ただし、会議などで発言者が多くなると、誰の発言なのかが分かりません。どこまで明確に区別するのかを確認し、話者が多いものは断るようにしています。経験上、当人を知らないのであれば、多くても3名が限界です。

また、私がインタビューの文字起こしを依頼するときは、インタビュイー側とインタビュワー側を分けてもらえればOKとしています。このパターンも結構多いのではないかと思っています。

専門分野の話は難しい

専門用語が多く出てくるものは、そのジャンルに明るくない人には難しくなります。どのジャンルのもので、どの程度専門用語がでてくるのかを確認してから受けた方が無難です。

自分を守るために守秘義務を結ぶ

重要な会議の文字起こしなどを依頼されることがあります。

万が一、情報が外部に漏れた場合、疑われることもあるので、内容によっては事前に守秘義務契約を結ぶようにしています。

文字起こしに必要なスキル

文字起こしをするための資格はありません。公的な資格があるわけではありませんので、誰でも始めやすい仕事だと言えるでしょう。

しかし、まったく経験のない人が文字起こしをはじめるのは少し不安もあります。

そういった場合は、YouTubeなどで流れているビジネス系の動画や、オンラインラジオを文字起こししてみると雰囲気がつかめるかと思います。

また、文字起こし講座のようなものもあります。あまりお金をかける必要はありませんが、予算にあったものがあれば受講してみるとよいですね。

文字起こしが向ている人

特に資格も必要ないため、誰でもできると思われがちです。しかし実際は、誰でもできると言うわけではありません。

向いている人

・ある程度まとまった時間を作れる人
・集中力がある人
・タイピングスピードが速い人
・知らない言葉を調べることができる人

それぞれに見ていきましょう。

ある程度まとまった時間を作れる人

文字起こしの音声(動画)は短くても30分程度、長い場合は1時間~2時間以上に及ぶこともあります。

主婦の方など、スキマ時間で文字起こしをと考えている人もいるかもしれませんが、スキマ時間で行うと話の流れがわからなくなってしまい、聞き直しを繰り返してさらに時間がかかるという悪循環に陥ってしまいます。

音声の状態が悪い場合も作業に時間がかかるので、ある程度、まとまった時間を作れることは必須となります。

集中力のある人

人は平均して、1時間に1万4000字程度話すことができると言われています。これらの話をもらさず文字に起こすためには、集中力が必要です。

また、話の流れをしっかりつかむこと、誰が何と発言しているか聞き取るのにも集中力が必要です。

個人的な話ですが、私はライティング以上に脳がつかれる作業が文字起こしだと思っています(集中力がないので・笑)。

注意力散漫な人や片手間でしか作業ができない人は苦労すると思います。

タイピングスピードが速い人

音声入力をするにしても、最終的にはキーボードでのタイピングは必要です。

話すスピードと同じとまではいかなくても、ある程度のスピードがなければ文字起こしに時間がかかってしまいます。

でも、ブラインドタッチでスムーズにタイピングできる人にとっては、めちゃくちゃ向いている仕事だと思います。

私の仲間で、早口言葉くらいの早さで入力できる人がいます。しかも正確に。彼女にとっては、文字起こしが天職かと思います。

まとめ

以上、フリーランスとして文字起こしの具体的な仕事内容や必要なスキル、向いている人についてご説明しました。

文字起こしは生産性の高い仕事で、得意分野がない方にはぜひトライしていただきたい仕事です。副業にもピッタリですので、興味がある方は、ぜひ挑戦してください。