年金を払っていないまま50歳を迎えたという方。または、若い時は払っていたけれど、しばらく払った記憶がないという方。中にはこのまま払わずに、将来は無年金を覚悟していると言う方もいるかもしれません。
でも、大丈夫。あなたはすでに年金がもらえる人かもしれませんし、まだもらえる可能性も残っています。
今回は、50代から考える年金未納について考えます。
まずは、自分の現状を知ることから
年金を払っていない若者は3割いるそうです。年金を払っていない若い世代がおそれるのは、家に差し押さえが来ることのようです。それも恐ろしい話ですが、老後が差し迫った私達世代は、年金がもらえないことの方が恐ろしいのではないでしょうか?
でも、諦めるのはまだまだ早いです。
年金ゼロを覚悟していた人が、実は資格を満たしていたり、これから払うことで年金受給資格を得ることができるのです。
まずは、ご自身の現状を調べましょう。
自分が将来、
- 年金を受け取る資格があるのか
- どれくらいの金額になるのか
- 年金を支払った期間がどれくらいあるのか
を調べる方法があります。
年金の状況を「ねんきんネット」で調べる
知る手段はいくつかありますが、一番気軽に調べられるのが「ねんきんネット」です。これはインターネットを通じて確認できるサービスで、24時間いつでも見られること、またこれから必要になった時何回でも確認できることがメリットです。
「ねんきん定期便」という圧着ハガキにアクセスキーが記載されているのですが、なくても大丈夫。ねんきんネットのサイトからアクセスキーを申し込むことができます。5営業日ほどかかるので、今すぐにチェックとはいかないのですが、 まずは登録しましょう。
https://www.nenkin.go.jp/n_net/
これを見て、若い頃に勤務していたところで払っていたとか、実は親が払ってくれていたなどということを発見することもあります。
最低でも最低納付期間10年を目指す
さて、あなたの加入期間が分かったところで、その最低期間をお伝えします。
それが10年です。
年金には最低納付期間というものが設定されており、それ以下だと足切り。つまりゼロ円になってしまうのです。その期間が10年ということです。
例えば私の場合、30年前は二十歳でした。短大を卒業した私はサラリーマンとして企業に勤め、30歳で辞めるまで、10年間、厚生年金を払っていました。ということで、仮に、これ以降1円も国民年金を払っていなくても、10年分は国民年金に厚生年金をプラスして年金が支給されるということです(もちろん金額は満額ではありませんが)。
現在収入が乏しく、年金を払えていないという人でも、過去に払っていた時期があるという場合、それが10年以上であれば年金支給対象になります。
仮に納付期間が10年に達しておらず、例えば7年分だけ払っている場合、あと3年分払えば年金はもらえます。ですが、このまま放っておくと7年分はドブに捨てるのと同じこと。なんとか最低でも、10年分を払うことを最低限の目標としてください(もちろん長いに越したことはありません)。
一回も払ったことがない場合も今から10年を目指せるかも
もし仮に、年金を一度も払ったことがないという場合(サラリーマンの妻で専業主婦は除く)も、最低10年の年金を払うことを目標にします。
今、50歳であれば、60歳まで払えば10年です。
もし50歳を過ぎている場合は、60歳を過ぎても年金を払えます。現在は60歳から65歳未満まで任意加入をすることができ、それでも受給資格期間を満たしてない場合、70歳未満まで延長ができます。
国民年金はいくらもらえるか?
では、国民年金はいくらもらえるのでしょうか。
国民年金は、保険料納付期間によってもらえる金額が違います。以下に納付期間ごとの年金支給額を表してみました。
納付期間 | 年間支給額 | 月額 |
10年 | 194,825円 | 16,235円 |
15年 | 292,238円 | 24,353円 |
20年 | 389,650円 | 32,471円 |
25年 | 487,063円 | 40,589円 |
30年 | 584,475円 | 48,706円 |
35年 | 681,888円 | 56,824円 |
40年 | 779,300円 | 64,942円 |
10年間の納付期間の場合、月1万6千円では少額に感じるかもしれませんが、忘れてはならないのは、死ぬまで支給されるということ。人生95年とも言われる時代です。65歳から95歳までと言えば30年間。すると合計600万円弱の金額が支給されますので、これは実に大きい金額になります。
また、65歳になってもまだまだ働けるということであれば、年金の繰り下げをすれば月額は高くなります。1ヶ月くり下げれば0.7%。最高で約4割の増額になるのでかなり変わってきます。
国民年金のその他の安心材料
国民年金には老齢基礎年金の他にも、いくつかの支給を受けられる場合があります。
その一つは障害基礎年金。これは事故や病気により後遺障害が残ったときに支給されるものです。
事故や病気は誰にでもなる可能性がありますし、それがいつになるか分かりません。年をとってからというだけでなく、1年後、2年後の比較的若いうちに事故に遭う可能性もあります。
受給金額は等級によって違いますが、1級なら「974,125円」、2級なら「779,300円」と決して安くない金額。いざという時、これをもらえるのは大きなものです。
これは初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がなければ支給を受けることができます。
また、最低でも3年間の国民年金の払込みがあれば、死亡一時金がもらえます。3年以上15年未満の場合なら12万円。 直葬であれば約20万円の費用でできますが、その半分以上を補えるということです。
50代であれば、まだまだ諦めることはない年金受給。
平均年齢が伸びる中、安心材料となりますので、ぜひ払っておくようにしたいものです。